まちと田舎の交差点 CROSS通信 第10号 2004年4月24日発行

(1面)

議会公開の拡大を提案
 三月一九日、議会運営委員会で議会公開の拡大について、黒須は次の三点を提案しました。
@町庁舎二階で行われている議会のテレビ中継を他の施設、コミュニティセンターや公民館等でも行う。A議会の日程や議案、議事録等をインターネットで公開する。B休日議会や夜間議会等を開催する。
 この提案については各会派で検討する事になりました。

長寿お祝い金廃止される
 三月二三日に閉会した定例議会では、二〇〇四年度予算案、条例改正案等三九議案が原案のとおり可決されました。町は、八八歳長寿お祝い金廃止の条例改正案を提出。黒須は、いきなりの廃止は町民感情にそぐわないと反対しましたが、賛成多数でお祝い金は廃止されました。
 二〇〇四年度一般会計予算は一三〇億円、前年比9・8%増ですが、歳入は、町税も地方交付税も減っており、町債が大きく増えています。

町の環境基本計画策定へ
 三月二五日、黒須が委員を務める環境対策特別委員会が開かれ、生活環境課長より環境基本計画の策定について説明がありました。環境基本計画は、良好な自然・生活環境を将来にわたり維持し、全ての町民が安全で健康的に暮らせる地域社会を実現するために、町民・事業者・行政が連携して取り組む長期的・具体的な行動計画です。二〇〇四年度より二カ年かけて策定し、おおむね一〇カ年をめどに実現していくものです。
 策定に向け、町民・事業者・有識者からなる町民環境会議が立ち上げられ、一五名の町民が公募されます。町の自然・生活環境を守るために、積極的に応募してはいかがですか。

(2面・3面)

12月議会一般質問より抜粋

企業負担金問題について
―1983年に基本協定締結され、工事が行われた小中川雨水渠施設について、企業側と町とで負担の範囲について、著しい認識の違いが生じて調停になり、今年2月、町側の企業に対する請求額8億7900万円に対して、企業の負担は1億5千万円での和解となった。差し引き7億円以上が町費から支出されることになった。
 企業側からの提案を受け入れる形での和解という判断がなされたのはどういう理由からか。
下水道課長
 当初の企業側主張額に比べ、調停の中で町は大幅な譲歩を引き出すことができたこと。裁判による決着を求めることは長期化が予想され、多額の費用もかかる上、調停額以上を勝ち取れる保証もないこと。企業を取り巻く環境が厳しい状況にある中で、問題の解決を長引かせることは町にとっても得策ではないこと。そして調停委員の意見、町側弁護士のアドバイス等を総合的に判断した結果である。
―7億円という額について、どのように認識しているか。
下水道課長
 当初見込みより町負担が増えることになったことは、税により事業費が賄われていることをふまえ、重く受け止めている。
―今回どういう反省点があるか。今後の防止対策についてどのように考えているか。
下水道課長
 早期に問題の解決を図ることができず、協議を長引かせたことが問題の解決を困難にしたと反省している。
答 町長 決して私にとって了解できる金額ではない。町としての反省点は多々あると思う。残された課題についても、より前向きな対応をはかりながら、できるだけ本町に対して損失の少ない対応を考えていかなければいけない。また職員についても充分認識したなかで、今後の残された協定問題、様々な事業について取り組むように指示をしている。
―今後、調査報告書を出し、情報公開をする考えがあるのかどうか。
町長 法律に触れない限り、情報公開はすべきだと思っているが、現時点では本内容については方向性を検討していないので改めて報告する。
―こういう無駄遣いをなくすことが、これからますます厳しくなっていく町財政にとって、一番重要な行財政改革につながる。きちんと調査報告書を出し、責任の所在を明らかにして今後に生かして欲しい

中学校建設問題について
―現在予定されている、送電線の下に学校をつくることについて、安全が確保されなかったらどうするのか
町長 開発業者と話し合うべきが第一だと考えている。様々な知恵を出し合った中での対応もないわけではないが、企業の皆さんに約束をした責任があるわけだから、話し合いをまず第一にさせる考えでいる。
―磁波の問題は、2005年にWHOの基準が出ても、実際に国のガイドラインがすぐできるのか、電力会社の対応はどうなのかなど、さらに遅れることが懸念される。先延ばしにするのではなくて、企業側との話し合い等の手を打っていくことが必要ではないか。協定に縛られるのではなくいろんなことを検討していくべきではないか。

海岸動植物の保護について
―我が町は西の丘陵地帯から東の海岸に至るまで豊かな自然が残っている。白里海岸では二年続けてアカウミガメの産卵・孵化が確認された。九十九里浜は、自然繁殖の北限でもある重要な場所だ。このように貴重なウミガメなど海岸動植物の調査・保護についてどのように考えているか。また、オフロードバイクや四輪バギーなどが乗り入れ、海岸植物繁殖地等を荒らしている現状があるが、実態を速やかに調査し、対策をこうずるべきだと考えるがどうか。
産業振興課長
 千葉県では動植物の現状と保護の必要性などを調査して、レッドデータブックにとりまとめている。町としても今後海浜植物については、保護区域を設定するなどの検討を進めたい。
答 町長 白里海岸のアカウミガメについては、町としてもできるだけ協力したなかで大事にしていきたい。またそれを破壊するような車等の乗り入れがあるということは大変残念なことですが、今後の対策については検討させていただきたい。

里山の保全について
―里山とは原生的な自然ではなく、人間が農村生活を営む中で維持されてきた林や谷津田、ため池、そこを流れる小川等の環境を指している。千葉県でも昨年の5月に里山条例が制定された。近年、農林業従事者の後継者不足から里山の荒廃が進んでいる。里山の保全は、土砂崩れや洪水などの災害防止に役立ってきた。また、生物多様性にも寄与している。この貴重な里山の維持・管理のためにどのような施策を行っているのか
産業振興課長
 千葉県里山条例では、千葉県の責務、県民の役割、活動団体の役割、土地所有者の役割が明記されている。そしてそれぞれの役割分担がうたわれている。県市町村県民等が協同して環境の世紀にふさわしい人と里山との新たな関係を築くとうたわれているので、町としても今後県の実施する里山基本計画の策定にかかわる連携、そして活動の協定や認定にあたっての協力などについて支援していきたいと考えている。
十枝の森の管理はどうなっているか。
町長 十枝の森は貴重な町の財産だ。自然をできるだけ残して欲しいという要望もあるから、できれば桜や桃の木の植採等も考えた中で今後の住民の皆さん方の憩いの場所となりうるような体制というものを考えてみたい。

環境学習について
ウミガメの産卵・孵化を小中学生に体験させてはどうか
 自然保護団体が撮影したウミガメのビデオを学校でビデオ教材としてとりいれて欲しい。
教育委員会管理課長
 ウミガメや里山を素材とした環境学習については、授業時間数の確保と児童生徒の移動時間等の関係を調整するとともに関係諸機関との連携、さらには学校5日制のねらいを重視し、地域保護者と一体となった形で今後検討していきたい。次にウミガメのビデオについては、既に昼の放送や理科の学習等で活用している。さらに総合学習や郷土の自然環境教育を実践する上で貴重な資料と思われるので教職員の校内研修等、充分検討し効果的な活用方法を含めて研修を深めたいと考えている。

(4面)

自衛隊のイラク派遣をめぐる二つの意見書

 日本人人質5人が無事に解放されたことは何よりよかった。しかし、政府や一部マスコミによって彼らは大バッシングの対象とされている。彼らの拘束がまだ解かれていない時点から自己責任・自業自得論を世界に発信している政府及び自民党・公明党の姿勢はもはや異常としか言いようがない。彼らが生命のリスクを負ってイラクに出かけたことそのものが自己責任を負っているのである。人質解放のための情報収集能力すら疑われている日本政府こそ国民の安全に対する「国家責任」を果たしていないと避難されるべきだ。
 そもそも国民の多くの反対を押し切って自衛隊を派遣したことが問題の発端である。政府は、自衛隊は人道支援目的だというが、航空自衛隊は兵隊や武器弾薬を運んでいる。明らかに米軍の後方支援をしている。
 一方、米軍は自らの占領支配の破綻を前に反対勢力の暗殺やファルージャでのイラク市民の大虐殺というなりふり構わない攻撃にでている。今月はじめの一週間でイラク市民七〇〇人が虐殺されている。しかし日本では詳しく報道されない。今回の人質事件の背景にこれらのイラクで起きていることがあるのは明白だ。武装勢力による自衛隊撤退のメッセージは至極当然のものだ。
 自衛隊の駐屯しているサマワでもミサイルや迫撃砲が撃ち込まれるなど、イラク特措法における戦闘地域であることはもはや明らかだ。日本政府は自ら作った法律に照らして一刻も早く自衛隊を撤退すべきだ。

 

ピースパレードに参加

 米軍によるイラク攻撃から一年の三月二〇日、イラク占領反対・自衛隊撤退を訴える集会・パレードに参加した。
 冷たい雨にもかかわらず会場の日比谷公園に三万人の市民が集まった。主催者から「この一年間で一万人のイラク人が殺された」と報告があった。集会に続いて、銀座をデモ行進した。




山桜を植えました

 三月二一日、九十九里浜の自然を守る会主催の白里海岸ゴミ清掃に参加した。タバコのフィルターやビニールゴミが目立つ。野生生物の誤飲による被害も報告されている。引き続いて白里海岸近くの公園に山桜二五本を植えた。