私はこう考える

大網白里にTDM(交通需要管理)を

大網駅では、狭い駅前広場にタクシーと送迎の自家用車があふれています。土気のトンネルを出て視界が開け、駅が近づいてくるときに目に映るのは、駅の四 方に虫食い状に広がる民間駐車場。大網駅は、人口5万人に迫る大網白里町の顔だというのに、駅周辺の魅力に乏しいのが現状です。
大網駅は、1972年に現在の位置に移転しました。そのため、それまで栄えていた駅周辺の商店街への来訪者が減り、その後の住宅開発の広がりに対して、公共交通の整備が遅れ、結果として大網白里町には車があふれることになったのです。
さて、表題に挙げたTDMとは、「交通需要管理」のこと。従来の交通行政は、どちらかといえば現状追随で、たとえば市街地に車があふれるから駐車場を作 ろうか、とか、狭い道を拡幅しようとか、自動車の量的規模を前提にしてのものでした。最近提唱されているTDMでは、そうではなくて積極的に施策をうちだ して、需要量を管理しようというのです。
たとえば、大型バスが乗り入れられない葛飾区の小菅団地と綾瀬駅の間では、区の運行補助により、朝のラッシュ時には乗用車型の乗合タクシー、日中から夜 にかけては十一人乗りの車いす対応乗合ワゴンタクシーが運行されています。そのことで自家用車による送迎が減り、駅周辺の混雑緩和に成功しました。また、 県内各地で公共機関と住宅地を結ぶ「100円バス」も取り組まれています。
「福祉巡回バス」の取り組みもはじまりました。ぜひ、TDMの視点を取り入れた先進的な運行形態を採用し、自動車の総需要を低下させるのに効果あるものとしたいと思います。
そしてそのことが「安全に歩けるまちづくり」の実現の第一歩になると考えています。

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